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過去問演習

CFP®資格審査試験 2024年度第1回
リスクと保険
問題35

単独事故における自動車保険の保険金

〈典型問題〉自動車保険の約款と保険金

本問は、自動車保険について、約款を読み取り、人身傷害保険金と車両保険金の額を計算する問題である。

算出手順表

人身傷害保険金の算出
算式の各項の算出 各項の額
損害の額
(§6(1))
損害額基準により算定された死亡による損害 6,170万円 6,170万円
第7条の費用 損害防止費用 なし
権利保全行使費用 なし
0円
保険金・給付金等
(§5(1)①~⑥)
なし 0円
人身傷害保険金
(§5(1))
人身傷害保険金額(5,000万円)を限度
6,170万円 > 5,000万円 より、5,000万円
5,000万円
車両保険金の算出
算式の各項の算出 各項の額
区分の判定 車両保険金額 230万円
車両保険価額 230万円
「全損」かつ「車両保険金額が車両保険価額以上」
支払保険金の額
(§5(1))
車両保険価額 230万円 230万円

人身傷害保険金と車両保険金の合計額 5,000万円 + 230万円 = 5,230万円

解説

設問から必要な情報を読み取りつつ、算出手順表に沿って保険金の額を求める。

〔1〕人身傷害保険金の算出

人身傷害条項第5条(1)に示された算式に沿って、計算に必要な金額を求めていく。

「損害の額」
 〈条件〉より、項損害額基準により算出された死亡による損害は、6,170万円

「第7条の費用」
 損害防止費用・権利保全行使費用は、〈条件〉の記載より、ともに0円。
 費用の合計は、0円

「第5条(1)①から⑥までの保険金・給付金等」
 〈条件〉の記載より、0円

以上を算式に代入して、人身傷害保険金は
 6,170万円 + 0円 - 0円 = 6,170万円。
人身傷害保険金額は、〈条件〉より、5,000万円。
支払保険金は人身傷害保険金額が限度となるから、6,170万円 > 5,000万円 より、5,000万円 …(1)

〔2〕車両保険金の算出:区分の判定

車両条項第5条(1)により、支払保険金の計算に関する区分を判定する。

〈条件〉より、「①全損の場合」に該当する。
〈条件〉より、車両保険金額は230万円、車両保険価額は230万円であるから、「車両保険金額が保険価額以上の場合」に該当する。

〔3〕車両保険金の算出:支払保険金の額の算出

車両条項第6条①により、損害の額は、車両保険価額の230万円。

車両条項第5条(1)により、支払保険金の額は230万円 …(2)

※全損の場合には免責金額を差し引かない。

〔4〕保険金の合計額

人身傷害保険金と車両保険金の合計額は、
 (1) + (2) = 5,230万円

正解 2