〈典型問題〉自動車保険の約款と保険金
単独事故における自動車保険の保険金
〈典型問題〉自動車保険の約款と保険金
本問は、自動車保険について、約款を読み取り、人身傷害保険金と車両保険金の額を計算する問題である。
算式の各項の算出 | 各項の額 | ||
---|---|---|---|
損害の額 (§6(1)) |
損害額基準により算定された死亡による損害 6,170万円 | 6,170万円 | |
第7条の費用 | 損害防止費用 なし 権利保全行使費用 なし |
+ | 0円 |
保険金・給付金等 (§5(1)①~⑥) |
なし | - | 0円 |
人身傷害保険金 (§5(1)) |
人身傷害保険金額(5,000万円)を限度 6,170万円 > 5,000万円 より、5,000万円 |
5,000万円 |
算式の各項の算出 | 各項の額 | ||
---|---|---|---|
区分の判定 | 車両保険金額 230万円 車両保険価額 230万円 「全損」かつ「車両保険金額が車両保険価額以上」 |
||
支払保険金の額 (§5(1)) |
車両保険価額 230万円 | 230万円 |
人身傷害保険金と車両保険金の合計額 5,000万円 + 230万円 = 5,230万円
設問から必要な情報を読み取りつつ、算出手順表に沿って保険金の額を求める。
人身傷害条項第5条(1)に示された算式に沿って、計算に必要な金額を求めていく。
「損害の額」
〈条件〉より、項損害額基準により算出された死亡による損害は、6,170万円。
「第7条の費用」
損害防止費用・権利保全行使費用は、〈条件〉の記載より、ともに0円。
費用の合計は、0円。
「第5条(1)①から⑥までの保険金・給付金等」
〈条件〉の記載より、0円。
以上を算式に代入して、人身傷害保険金は
6,170万円 + 0円 - 0円 = 6,170万円。
人身傷害保険金額は、〈条件〉より、5,000万円。
支払保険金は人身傷害保険金額が限度となるから、6,170万円 > 5,000万円 より、5,000万円 …(1)
車両条項第5条(1)により、支払保険金の計算に関する区分を判定する。
〈条件〉より、「①全損の場合」に該当する。
〈条件〉より、車両保険金額は230万円、車両保険価額は230万円であるから、「車両保険金額が保険価額以上の場合」に該当する。
車両条項第6条①により、損害の額は、車両保険価額の230万円。
車両条項第5条(1)により、支払保険金の額は230万円 …(2)。
※全損の場合には免責金額を差し引かない。
人身傷害保険金と車両保険金の合計額は、
(1) + (2) = 5,230万円。