問1 | 電子式を書いて確認する。 ①(もつ)窒素のN-N結合は三重結合。2つのN原子はそれぞれ1組の非共有電子対をもっている。 ②(もつ)二酸化炭素のC-O結合は二重結合。2つのO原子はそれぞれ2組の非共有電子対をもっている。 ③(もつ)塩化水素のH-Clは単結合。Cl原子は3組の非共有電子対をもっている。 ④(もたない)エタンのC-C結合(1か所)、C-H結合(6か所)はいずれも単結合。2つC原子、6つのH原子のいずれも非共有電子対をもたない。 |
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1 ④ | 3点 | |||
問2 | 電子の数から、それぞれの元素を確定する。ア … 4Be、イ … 8O、ウ … 11Na、エ … 16S、オ … 18Ar である。 ①(正)ベリリウム原子と酸素原子はK殻とL殻に電子が入っている。 ②(正)ナトリウム原子は電子を1個失ってナトリウムイオン( Na+ )になりやすい。 ③(正)酸素原子と硫黄原子はどちらも16族の原子であり、価電子を6個もっている。 ④(誤)フッ素原子( 9F )が電子を1個受け取ってフッ化物イオン( F- )になると、ネオン原子( 10Ne )と同じ電子配置になる。アルゴン原子と同じ電子配置になるのは、塩化物イオン( Cl- )である。 |
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2 ④ | 3点 | |||
問3 | ①(正)ナトリウムは水と反応して溶け、水素を発生する。 ②(正)イオン化傾向の非常に小さい白金や金も、王水には溶ける。 ③(正)銀はイオン化傾向が小さく、塩酸や希硫酸とは反応しないが、硝酸や熱濃硫酸とは反応する。 ④(誤)銅やイオン化傾向が小さく、塩酸や希硫酸とは反応しないが、硝酸や熱濃硫酸とは反応する。 |
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3 ④ | 3点 | |||
問4 | ア … ヨウ素-ヨウ化カリウム水溶液にヘキサンを加えて振り混ぜると、ヨウ素がより溶けやすいヘキサンのほうに移るため、分離することができる。 イ … 茶葉の成分を熱水に溶かし出してお茶をいれることができる。 目的の物質をよく溶かす溶媒を用いて、混合物から目的の物質を分離することを抽出という。 |
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4 ③ | 3点 | |||
問5 | ①(誤)黒鉛の結晶は、炭素原子の3個の価電子が他の炭素原子と共有結合してできた網目状の平面構造が何層にも重なりあってできており、やわらかく、はがれやすい。下線部は、黒鉛の同素体であるダイヤモンドについての説明である。 ②(正)ヨウ素の結晶は、分子どうしが弱い分子間力で引きあってできた分子結晶のため、やわらかく、くだけやすい。 ③(正)金属結合では自由電子が結晶全体を移動できるので、原子核の位置が多少ずれても結合が切れない。そのため金属は展性や延性に富む。 ④(正)イオン結合は一般に強いが、強い力が加わって陽イオンと陰イオンの位置関係がずれるとイオン同士が反発するため、割れやすい。 |
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5 ① | 3点 | |||
問6 | 【塩酸を滴下していないとき】 Ca(OH)2は2価の強塩基であるから、1molのCa(OH)2から2molのOH-が発生する。 よって、塩酸の滴下量が0mLのときの水酸化物イオン濃度は、 2価 × 0.010mol/L = 0.020mol/L = 2.0 × 10-2mol/L … (1) 【塩酸を10mL滴下したとき】 HClは1価の強酸であるから、塩酸から生じるH+は、 1価 × 0.010mol/L × 10mL = 1.0 × 10-4mol 水酸化カルシウムから生じるOH-は、(1)を利用して、 2.0 × 10-2mol/L × 10mL = 2.0 × 10-4mol OH-の方が 1.0 × 10-4mol だけ過剰なので、水酸化物イオン濃度は、 ( 1.0 × 10-4mol ) ÷ ( 10mL + 10mL ) = 0.5 × 10-2mol/L … (2) (1)(2)より、グラフは ( 0, 2.0 ), ( 10, 0.5 ) を通ることがわかる。 (1)を求めることにより正解は②④⑥に絞りこめる。さらに(2)を求めることで正解は②と決まる。(1)の代わりに「過不足なく中和したとき」の計算をしてもよく、(2)の代わりに「塩酸を5mL滴下したとき」の計算をしても構わないが、いずれにしても正解を絞り込むのに最低限必要な計算を見極め、時間を節約することが重要である。 |
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6 ② | 3点 | |||
問7 | 式(1) … MnO4-が電子を受け取っている(還元されている)。 式(2) … (COOH)2が電子を与えている(酸化されている)。 ①(正)KMnO4は還元されているので、酸化剤としてはたらいている。(COOH)2は酸化されているので、還元剤としてはたらいている。なお、Mn原子の酸化数は +7 → +2 と減少し、C原子の酸化数は +3 → +4 と増加している。 ②(正)MnO4-は赤紫色を示すが、Mn2+はほぼ無色である。KMnO4を過剰に加えると、MnO4-が反応せずに水溶液中に残るため、水溶液は赤紫色に着色する。 ③(誤)やり取りされる電子の量を揃えるために、(1)式を2倍、(2)式を5倍して反応式をつくると、反応式の係数比より、 KMnO4 : (COOH)2 = 2 : 5 の物質量比で反応することがわかる。したがって、同じ物質量で反応させると、KMnO4が過剰となって残る。 ④(正)(1)式を2倍、(2)式を5倍してつくった反応式の係数比より、反応するKMnO4と生成するCO2の物質量比は 2 : 10 = 1 : 5 である。したがって、0.001molのKMnO4が反応するとき、0.005molのCO2が生成する。 |
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7 ③ | 4点 | |||
問8 | a | 実験結果より、塩酸がすべて反応したときに6.0 × 10-2のCO2が発生する。 反応式の係数より、このときの塩酸の物質量はCO2の2倍だから、12 × 10-2mol モル濃度 × 体積 = 物質量 より、 c〔mol/L〕 × 50mL = 12 × 10-2mol これを解いて、c = 2.4mol/L |
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8 ⑥ | 4点 | |||
b | 塩酸がすべて反応したときを基準にして考える。 【CaCO3の質量】 塩酸がすべて反応したときのCaCO3の物質量は、反応式の係数より、6.0 × 10-2mol CaCO3の式量 = 100 より、質量は 6.0 × 10-2 × 100g/1mol = 6.0g 【貝殻の質量】 実験結果より、発生したCO2の物質量が6.0 × 10-2となるような貝殻の質量を、比例計算で求める。 6.0g : 5.4 × 10-2 = x〔g〕 : 6.0 × 10-2 より、 x = ( 20/3 ) g = 6.66…g ※方眼用紙にグラフを作図して、グラフが屈折する点から約6.7gと読み取ってもよい。 【CaCO3の含有率】 6.0g ÷ ( 20/3 ) g = 90% |
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9 ⑤ | 4点 |