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過去問演習

大学入学共通テスト 2023年度 本試験
化学基礎
第2問

問1 a 反応式 [a] CrO42- + [b] H+ [c] Cr2O72- + H2O
[a] [b] [c] は不明な係数を表している。未定係数法を用いてこれらを求める。
Crについて … a = 2c
Oについて … 4a = 7c + 1
Hについて … b = 2
電荷について … -2a + b = -2c
これを解くと、a = 2b = 2c = 1となる。
10
11
12
全答
3点
b CrO42-におけるクロム原子の酸化数
 x + ( -2 ) × 4 = -2 より、x = +6
Cr2O72-におけるクロム原子の酸化数
 2x + ( -2 ) × 7 = -2 より、x = +6
したがって、クロム原子の酸化数は変化せず、どちらも +6 である
13 3点
問2 (誤)ホールピペットは、液体をはかりとるのに使用する。精度は高いが、標線で表示された以外の体積ははかれない。
(正)ビュレットは、滴下された液体の体積を目盛りの差から測定するのに使用する。
(誤)こまごめピペットは、液体をはかりとるのに使用する。精度は低い。
(誤)分液ろうとは、液体混合物から目的の物質を抽出するのに使用する。
14 3点
問3 (正)しょうゆを水で希釈する。標線まで水を加えることになるので、純水でぬれたまま用いてもよい。
(誤)指示薬として加えたAg2CrO4からAg+が生じ、Cl-と反応してAgClの白色沈殿が生じる。滴下を開始する前にCl-が減少してしまうので、もとの希釈溶液のモル濃度を正しく求めることはできない。
(正)求めたCl-には、KCl由来のものとNaCl由来のものの両方が含まれているため、そのモル濃度をNaClのモル濃度と同視すると、正しい値よりも高くなってしまう。
(正)
(誤)
A・B・Cのどの場合でも、操作Ⅴで記録したAgNO3水溶液の滴下量は希釈溶液中のCl-の物質量に比例し、Cl-の物質量は、操作Ⅱではかり取った体積とそれぞれのモル濃度に比例する。またAgNO3のモル濃度はすべての場合で共通である。
そこで、操作Ⅱではかり取った希釈溶液の体積を 5.00mL にそろえることで各場合を比較する。表1のC値を2で割ると、操作Ⅴで記録したAgNO3水溶液の滴下量は 6.85mL となる。
滴下量の比が A : B : C = 14.25 : 15.95 : 6.85 であるから、Cl-のモル濃度の比も A : B : C = 14.25 : 15.95 : 6.85 となる。
したがって、Cのモル濃度はBのモル濃度の半分以下である(④は正しい)。また、モル濃度が最も高いものはBである(⑤は誤り)。
15-16 ② ⑤
順不同
各2点
問4 図1のグラフは次のことを意味している。AgNO3を滴下していくと、生じたAg+はCl-と反応してAgClの白色沈殿となるため、Ag+の物質量は増えない。Cl-がすべてなくなっても滴下を続けると、Ag+はまずCrO42-と反応して少量の暗赤色沈殿を生じ、それ以外は過剰となって試料中にたまり始める。問題文より、CrO42-と反応するAg+の量は無視できるので、グラフでは、AgNO3a に達したところからただちにAg+が増え始めている。
ここから考えると、AgClの物質量は、AgNO3の滴下量が a に達するまでは一定の割合で増えていき、 a に達した後は変化しないと考えられる。
17 3点
問5 a しょうゆAに含まれるCl-のモル濃度をC〔mol/L〕とする。
操作Ⅰで50分の1に希釈されているので、希釈溶液のモル濃度は0.0200C〔mol/L〕。
この希釈溶液5.00mLに含まれるCl-の物質量は、
 0.0200C〔mol/L〕 × 5.00 × 10-3L … (1)
Cl-と過不足なく反応したAg+の物質量は、
 0.0200mol/L × 14.25 × 10-3L … (2)
(1) = (2) より、C = 2.85mol/Lとなる。
18 2点
b NaClのモル濃度はCl-のモル濃度と同じで2.85mol/Lであるから、15mLのしょうゆAに含まれるNaClの物質量は、
 2.85mol/L × 15 × 10-3L = 4.275 × 10-2mol
NaClの式量 = 58.5 より、
 4.275 × 10-2mol × ( 58.5g/1mol ) = 2.500875g
したがって、小数第1位までで表すと2.5gとなる。
19
20
全答
2点