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過去問演習

CFP®資格審査試験 2024年度第2回
不動産運用設計
問題13

〈典型問題〉取引事例比較法による更地価格の計算

本問は、土地について、取引事例比較法を用い、時点修正、標準化補正、地域要因比較、個別的要因比較を適用して、更地価格(比準価格)を計算する問題である。
前問(問題12)の答を正しく求められていることが、本問に解答するための前提となる。
また、本問の答を正しく求められていることが、次問(問題14)に解答するための前提となる。

算出手順表

更地価格の算出(取引事例比較法)
算定式の各項の算出 算定式の各項の値
取引事例の
更地としての価格
前問より 27,000千円
事情補正 特記なし 100/100
時点修正 年変動率 +0.039/年
月変動率 +0.003/月
経過月数 11か月
103.3/100
( X = 103.3 )
標準化補正 角地の補正率 103/100
接道方位の補正率 105/100
1.03 × 1.05 = 1.0815
100/108.2
( Y = 108.2 )
地域要因比較 甲土地の相続税路線価 110千円/m2
取引事例の相続税路線価 105千円/m2
110/105
個別的要因比較 路地状部分の面積 30m2
路地状部分の減価率 40%
有効宅地部分の面積 170m2
有効宅地部分の減価率 15%
30 × ( 1 - 0.4 ) + 170 × ( 1 - 0.15 ) ÷ 200 × 100 = 81.25
81.3/100
( Z = 81.3 )
面積 甲土地の面積 200m2
取引事例の面積 160m2
200/160
更地価格 27,444千円

解説

〈設例〉から必要な情報を読み取りつつ、示された算定式の空欄に入る値を求め、更地価格を計算する。

〔1〕取引事例の更地としての価格

前問より、取引事例の更地としての価格は27,000千円である。
また、事情補正については特に言及がないため、(100/100)となる。

〔2〕時点修正(Xの算出)

近傍類似の公示地において、2023年の標準価格は128千円/m2、2024年の標準価格は133千円/m2である(設例からの読み取り)。
両者の比から年変動率を求め、年変動率を12か月で割って月変動率を求める。
 年変動率は、133 ÷ 128 - 1 = 0.03906… より、小数点以下第4位を四捨五入して、+0.039/年
 月変動率は、0.039 ÷ 12 = 0.00325 より、小数点以下第4位を四捨五入して、+0.003/月

※〈設例〉中、[対象不動産の積算価格の算定]2(1)ⅰ④の指示により、年および月変動率の各計算過程で端数が生じた場合はそのつど四捨五入することに注意する。

取引事例の取引時点は2023年12月1日、甲土地の評価時点は2024年11月1日である(設例からの読み取り)から、評価時点までの経過月数は11か月となる。
(月変動率)×(経過月数)により、評価時点までの変動率を求める。
 0.003 × 11 = 0.033より、+0.033

 1 + 0.033 = 1.033 より、時点修正率(X)は 103.3 である。

〔3〕標準化補正(Yの算出)

取引事例地については、角地の補正と接道方位の補正を行う。

角地の補正率は +3 である(設例からの読み取り)。

接道方位は南であり、評点は +5 である(設例からの読み取り)。

角地の補正率と接道方位の補正率を相乗して、標準化補正率を求める。
 1.03 × 1.05 = 1.0815
計算結果の小数第4位を四捨五入して 1.082 となるから、標準化補正率(Y)は 108.2 である。

〔4〕地域要因比較

甲土地の相続税路線価は 110千円/m2 である(設例からの読み取り)。

取引事例地は複数の道路に面しているため、設例の条件により高い方(西側道路)の相続税路線価を採用し、 105千円/m2とする(設例からの読み取り)。

以上より、地域要因比較は (110/105) となる。

〔4〕個別的要因比較(Zの算出)

甲土地について、所定の算定式により、個別的要因による補正を行う。

路地状部分の面積は30m2であり、路地状部分の減価率は40%となる(設例からの読み取り)。
有効宅地部分の面積は170m2、路地状部分の奥行は10mであり、有効宅地部分の減価率は15%となる(設例からの読み取り)。

これらの値を設例の算定式に代入して、個別的要因の補正率を求める。
 { 30m2 × ( 1 - 0.4 ) + 170m2 × ( 1 - 0.15 ) } ÷ 200 × 100 = 81.25
計算結果の小数第2位を四捨五入して、個別的要因の補正率(Z)は 81.3 である。

〔6〕更地面積の算出

甲土地の面積は200m2、取引事例の面積は160m2である(設例からの読み取り)から、面積の比は (200/160) となる。
以上の値を算定式に代入して、甲土地の更地価格を計算する。
 27,000千円 × (100/100) × (103.3/100) × (100/108.2) × (110/105) × (81.3/100) × (200/160) = 27,443.58…千円
 千円未満を四捨五入して、甲土地の更地価格は 27,444千円 となる。

正解 4