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過去問演習

CFP®資格審査試験 2023年度第1回
不動産運用設計
問題14

原価法による対象不動産の積算価格の計算

〈典型問題〉原価法による建物価格の計算

本問は、建物について、原価法を用い、減価修正を適用して価格を求め、土地の価格と合わせて積算価格を計算する問題である。
前問(問題13)の答を正しく求められていることが、本問に解答するための前提となる。

算出手順表

建物価格の算出(原価法)
建物本体 附属設備
再調達原価 20,800千円
新築時の
構成割合
80% 20%
経過年数の
耐用年数に
対する比
5/25 5/15
各部分の減価額 3,328千円 1,387千円
耐用年数に
基づく減価額
4,715千円
実態調査に
基づく減価額
なし
乙建物の
積算価格
16,085千円

甲土地の再調達原価(更地価格) … 27,561千円
対象不動産の一体としての減価額 … なし

27,561千円 + 16,085千円 = 43,646千円

解説

〈設例〉から必要な情報を読み取りつつ、算出手順表に沿って積算価格を求める。

〔1〕土地の再調達原価と減価修正

甲土地の更地価格は、前問(問題13)より、27,561千円である。また、甲土地について減価修正はない(設例からの読み取り)。

〔2〕建物の再調達原価の算出

乙建物について、新築時の延床面積1m2当たりの建築工事費は160千円である(設例からの読み取り)。
建築工事費の上昇率30%を見込んで、評価時点での建築工事費を計算する。
 160千円/m2 × 1.3 = 208千円/m2

乙建物の再調達原価を、(建築工事費)×(延床面積)により計算する。
 208千円/m2 × 100m2 = 20,800千円

〔3〕建物の減価修正

乙建物を建物本体と附属設備に分け、各構成部分について、耐用年数に基づく減価額を求める。

新築時の構成割合は建物本体が80%、附属設備が20%である(設例からの読み取り)。
乙建物は築後5年を経過している(設例からの読み取り)ため、(経過年数)÷(耐用年数)の値は、建物本体が (5/25) 、附属設備が (5/15) となる。

建物本体の減価額は、 20,800千円 × 0.8 × (5/25) = 3,328千円 …(1)
附属設備の減価額は、 20,800千円 × 0.2 × (5/15) = 1,387千円 …(2)
耐用年数に基づく減価額は、(1) + (2) より、4,715千円 である。

実態調査に基づく減価額はない(設例からの読み取り)ため、乙建物の減価額は、 4,715千円 + 0 = 4,715千円 となる。

〔4〕積算価格の算出

甲土地と乙建物について、それぞれ再調達原価から減価額を引いて積算価格を求める。
甲建物の積算価格は、( 27,561千円 - 0 ) = 27,561千円 …(3)
乙建物の積算価格は、( 20,800千円 - 4,715千円 ) = 16,085千円 …(4)

対象不動産(甲土地+乙建物)の一体としての減価額はない(設例からの読み取り)。

対象不動産の積算価格は、(3) + (4)より、27,561千円 + 16,085千円 = 43,646千円 である。

正解 1