〈典型問題〉株式投資信託の収益分配金と個別元本
国内公募追加型株式投資信託の収益分配金の計算
〈典型問題〉株式投資信託の収益分配金と個別元本
本問は、国内公募追加型株式投資信託について、追加購入、収益分配金の受け取りを経た場合の、普通分配金の受取合計額を計算する問題である。
日付 | 取引 | 計算 | 保有口数 | 個別元本 |
---|---|---|---|---|
2021年 9月10日 |
購入 100万口 |
購入額 8,000円 × 100万口 = 800,000円 手数料 8,000円 × 2.2% × 100万口 = 17,600円 |
100万口 | 8,000円 |
2022年 3月15日 |
受取り 700円 |
普通分配金 700円 × 100万口 = 70,000円 特別分配金 0円 |
100万口 | 8,000円 |
2022年 6月20日 |
購入 100万口 |
購入額 7,000円 × 100万口 = 700,000円 手数料 7,000円 × 2.2% × 100万口 = 15,400円 |
200万口 | 7,500円 |
2023年 3月15日 |
受取り 500円 |
普通分配金 400円 × 200万口 = 80,000円 特別分配金 100円 × 200万口 = 20,000円 |
200万口 | 7,400円 |
普通分配金の合計額 70,000 + 80,000 = 150,000円
設問の〈表1〉〈表2〉〈表3〉から、当初購入・追加購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。
この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。
基準価額8,000円で100万口を購入する(購入額800,000円、手数料17,600円)。個別元本は当初の基準価額と同じで8,000円となる。
分配金落ち後の基準価額は8,000円であり従前の個別元本(8,000円)を下回らないので、700円の収益分配金はすべて普通分配金となる。
普通分配金は 700円 × 100万口 = 70,000円。 …(1)
特別分配金は 0円。
特別分配金を受け取っていないので、個別元本は8,000円のままである。
基準価額7,000円で100万口を追加購入し(購入額700,000円、手数料15,400円)、保有口数の合計は200万口となる。
購入後の個別元本を加重平均により求める。
従前(100万口)の個別元本は 8,000円、今回(100万口)の基準価額は 7,000円であるから、加重平均は、( 8,000 × 100 + 7,000 × 100) ÷ 200 = 7,500円。
分配金落ち後の基準価額は7,400円であり従前の個別元本(7,500円)を100円下回るので、収益分配金のうち100円は特別分配金となり、400円が普通分配金となる。
普通分配金は 400円 × 200万口 = 80,000円。 …(2)
特別分配金は 100円 × 200万口 = 20,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った100円の分だけ減少し、7,500円 - 100円 = 7,400円となる。
以上より、普通分配金の合計額は、(1) + (2) = 150,000円。