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過去問演習

CFP®資格審査試験 2024年度第1回
金融資産運用設計
問題25

譲渡所得の金額の計算

〈典型問題〉株式投資信託の解約と譲渡所得

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取りを経て解約した場合の、譲渡所得を計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2022年
2月10日
購入
100万口
購入額 8,000円 × 100万口 = 800,000
手数料 8,000円 × 1.1% × 100万口 = 8,800
100万口 8,000円
2023年
1月10日
受取り
500円
普通分配金 300円 × 100万口 = 30,000円
特別分配金 200円 × 100万口 = 20,000
100万口 7,800
2024年
1月10日
受取り
600円
普通分配金 600円 × 100万口 = 60,000円
特別分配金 0円
100万口 7,800円
2024年
6月4日
売却
100万口
売却額 9,500円 × 100万口 = 950,000
信託財産留保額 9,500円 × 0.2% × 100万口 = 1,900
0 -

取得費 800,000円 + 8,800円 - 20,000円 = 788,800円
解約金額 950,000円 - 1,900円 = 948,100円
譲渡所得 948,100円 - 788,800円 = 159,300円

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉〈表3〉から、当初購入・収益分配金の受け取り・解約を、起こった順に整理する。

  • 2022年2月10日 100万口を基準価額8,000円で購入
  • 2023年1月10日 収益分配金500円の受け取り
  • 2024年1月10日 収益分配金600円の受け取り
  • 2024年6月4日 100万口を基準価額9,500円で購入

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2022年2月10日の購入

基準価額8,000円で100万口を購入する(購入額800,000円、手数料8,800円)。個別元本は当初の基準価額と同じで8,000円となる。

〔3〕2023年1月10日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は7,800円であり従前の個別元本(8,000円)を200円下回るので、収益分配金のうち200円は特別分配金となり、300円が普通分配金となる。
普通分配金は 300円 × 100万口 = 30,000円。
特別分配金は 200円 × 100万口 = 20,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った200円の分だけ減少し、8,000円 - 200円 = 7,800円となる。

〔4〕2024年1月10日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は8,300円であり従前の個別元本(7,800円)を下回らないので、600円の収益分配金はすべて普通分配金となる。
普通分配金は 600円 × 100万口 = 60,000円。
特別分配金は 0円。
特別分配金を受け取っていないので、個別元本は変わらず 7,800円 である。

〔5〕2024年6月4日の解約

基準価額9,500円で100万口を解約する。
売却額は 9,500円 × 100万口 = 950,000円 …(1)
信託財産留保額は 9,500円 × 0.2% × 100万口 = 1,900円 …(2)
解約金額は (1) - (2) = 948,100円 …(3)

購入時の取得費から、保有期間中に受け取った特別分配金の額を差し引いて、取得費を計算する。
購入時の取得費は 800,000円 + 8,800円 = 808,800円 …(4)
保有期間中の特別分配金は 20,000円 …(5)
取得費は (4) - (5) = 788,800円 …(6)

〔6〕譲渡所得

解約金額から取得費を差し引いて、譲渡所得を計算する。
譲渡所得は (3) - (6) = 159,300円

正解 3