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過去問演習

CFP®資格審査試験 2024年度第2回
金融資産運用設計
問題25

〈典型問題〉株式投資信託の収益分配金と個別元本

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、追加購入、収益分配金の受け取りを経た場合の、普通分配金の受取合計額を計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2023年
2月10日
購入
100万口
購入額 12,500円 × 100万口 = 1,250,000円
手数料 12,500円 × 1.1% × 100万口 = 13,750円
100万口 12,500円
2023年
8月15日
受取り
600円
普通分配金 100円 × 100万口 = 10,000円
特別分配金 500円 × 100万口 = 50,000円
100万口 12,000円
2024年
1月10日
購入
100万口
購入額 14,000円 × 100万口 = 1,400,000円
手数料 14,000円 × 1.1% × 100万口 = 15,400円
200万口 13,000円
2024年
8月15日
受取り
700円
普通分配金 500円 × 200万口 = 100,000円
特別分配金 200円 × 200万口 = 40,000円
200万口 12,800円

普通分配金の合計額 10,000 + 100,000 = 110,000

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉〈表3〉から、当初購入・追加購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。

  • 2023年2月10日 100万口を基準価額12,500円で購入
  • 2023年8月15日 収益分配金600円の受け取り
  • 2024年1月10日 100万口を基準価額14,000円で購入
  • 2024年8月15日 収益分配金700円の受け取り

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2023年2月10日の購入

基準価額12,500円で100万口を購入する(購入額1,250,000円、手数料13,750円)。個別元本は当初の基準価額と同じで12,500円となる。

〔3〕2023年8月15日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は12,000円であり従前の個別元本(12,500円)を500円下回るので、収益分配金のうち500円は特別分配金となり、100円が普通分配金となる。
普通分配金は 100円 × 100万口 = 10,000円。 …(1)
特別分配金は 500円 × 100万口 = 50,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った500円の分だけ減少し、12,500円 - 500円 = 12,000円となる。

〔4〕2024年1月10日の購入

基準価額14,000円で100万口を追加購入し(購入額1,400,000円、手数料15,400円)、保有口数の合計は200万口となる。

購入後の個別元本を加重平均により求める。
従前(100万口)の個別元本は 12,000円、今回(100万口)の基準価額は 14,000円であるから、加重平均は、( 12,000 × 100 + 14,000 × 100) ÷ 200 = 13,000円。

〔5〕2024年8月15日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は12,800円であり従前の個別元本(13,000円)を200円下回るので、収益分配金のうち200円は特別分配金となり、500円が普通分配金となる。
普通分配金は 500円 × 200万口 = 100,000円。 …(2)
特別分配金は 200円 × 200万口 = 40,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った200円の分だけ減少し、13,000円 - 200円 = 12,800円となる。

〔6〕普通分配金の合計額

以上より、普通分配金の合計額は、(1) + (2) = 110,000円

正解 3