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過去問演習

CFP®資格審査試験 2023年度第2回
金融資産運用設計
問題26

個別元本の計算

〈典型問題〉株式投資信託の収益分配金と個別元本

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、追加購入、収益分配金の受け取りを経た場合の、修正された個別元本を計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2022年
6月20日
購入
100万口
購入額 11,000円 × 100万口 = 1,100,000円
手数料 11,000円 × 2.2% × 100万口 = 24,200円
100万口 11,000円
2022年
9月15日
受取り
500円
普通分配金 0円
特別分配金 500円 × 100万口 = 50,000円
100万口 10,500
2023年
5月31日
購入
100万口
購入額 9,000円 × 100万口 = 900,000円
手数料 9,000円 × 2.2% × 100万口 = 19,800円
200万口 9,750
2023年
9月15日
受取り
500円
普通分配金 0円
特別分配金 500円 × 200万口 = 100,000円
200万口 9,250円

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉〈表3〉から、当初購入・追加購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。

  • 2022年6月20日 100万口を基準価額11,000円で購入
  • 2022年9月15日 収益分配金500円の受け取り
  • 2023年5月31日 100万口を基準価額9,000円で購入
  • 2023年9月15日 収益分配金500円の受け取り

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2022年6月20日の購入

基準価額11,000円で100万口を購入する(購入額1,100,000円、手数料24,200円)。個別元本は当初の基準価額と同じで11,000円となる。

〔3〕2022年9月15日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は10,400円であり従前の個別元本(11,000円)を600円下回るので、500円の収益分配金はすべて特別分配金となる。
普通分配金は 0円。
特別分配金は 500円 × 100万口 = 50,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った500円の分だけ減少し、11,000円 - 500円 = 10,500円となる。

〔4〕2023年5月31日の購入

基準価額9,000円で100万口を追加購入し(購入額900,000円、手数料19,800円)、保有口数の合計は200万口となる。

購入後の個別元本を加重平均により求める。
従前(100万口)の個別元本は 10,500円、今回(100万口)の基準価額は 9,000円であるから、加重平均は、( 10,500 × 100 + 9,000 × 100) ÷ 200 = 9,750円。

〔5〕2023年9月15日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は9,200円であり従前の個別元本(9,750円)を550円下回るので、500円の収益分配金はすべて特別分配金となる。
普通分配金は 0円。
特別分配金は 500円 × 200万口 = 100,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った500円の分だけ減少し、9,750 - 500 = 9,250円となる。

〔6〕個別元本

以上より、最後に収益分配金を受け取った後の個別元本は 9,250円

正解 2