〈典型問題〉トータルリターン
トータルリターン
〈典型問題〉トータルリターン
本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取りを経た場合の、トータルリターンを計算する問題である。
日付 | 取引 | 計算 | 保有口数 | 個別元本 |
---|---|---|---|---|
2022年 12月20日 |
購入 100万口 |
購入額 9,500円 × 100万口 = 950,000円 手数料 9,500円 × 0.55% × 100万口 = 5,225円 |
100万口 | 9,500円 |
2023年 11月15日 |
受取り 500円 |
普通分配金 300円 × 100万口 = 30,000円 …税引後 24,000円 特別分配金 200円 × 100万口 = 20,000円 |
100万口 | 9,300円 |
評価金額 9,300円 × 100万口 = 930,000円
累計受取分配金額 24,000円 + 20,000円 = 44,000円
累計売付金額 0円
累計買付金額 950,000円 + 5,225円 = 955,225円
トータルリターン 930,000円 + 44,000円 + 0円 - 955,225円 = 18,775円
設問の〈表1〉〈表2〉から、当初購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。
この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。
基準価額9,500円で100万口を購入する(購入額950,000円、手数料5,225円)。個別元本は当初の基準価額と同じで9,500円となる。
分配金落ち後の基準価額は9,300円であり従前の個別元本(9,500円)を200円下回るので、収益分配金のうち200円は特別分配金となり、300円が普通分配金となる。
普通分配金は 300円 × 100万口 = 30,000円。
特定口座(源泉徴収選択口座)で保有しているため、普通分配金の受け取りに際しては、合わせて税率20%の所得税・住民税が課される。
税引後の金額は 30,000円 - ( 30,000円 × 20% ) = 24,000円。
特別分配金は 200円 × 100万口 = 20,000円。特別分配金は非課税である。
個別元本は、特別分配金として受け取った200円の分だけ減少し、9,500円 - 200円 = 9,300円となる。
2023年11月15日を基準日として、トータルリターンの算出に必要な金額を求める。
評価金額は 9,300円 × 100万口 = 930,000円 …(1)。
収益分配金のうち普通分配金については、税引後の金額を用いる(設問より)。累計受取分配金額は 24,000円 + 20,000円 = 44,000円 …(2)。
売却はしていないため、累計売付金額は 0円 …(3)。
累計買付金額は 950,000円 + 5,225円 = 955,225円 …(4)。
設問で与えられた算式にあてはめてトータルリターンを計算する。トータルリターンは (1) + (2) + (3) - (4) = 18,775円。
最終編集: 2025-06-17