独学サポート

過去問演習

CFP®資格審査試験 2024年度第1回
金融資産運用設計
問題26

トータルリターン

〈典型問題〉トータルリターン

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取りを経た場合の、トータルリターンを計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2022年
12月20日
購入
100万口
購入額 9,500円 × 100万口 = 950,000
手数料 9,500円 × 0.55% × 100万口 = 5,225
100万口 9,500円
2023年
11月15日
受取り
500円
普通分配金 300円 × 100万口 = 30,000円 …税引後 24,000
特別分配金 200円 × 100万口 = 20,000
100万口 9,300円

評価金額 9,300円 × 100万口 = 930,000円
累計受取分配金額 24,000円 + 20,000円 = 44,000円
累計売付金額 0円
累計買付金額 950,000円 + 5,225円 = 955,225円
トータルリターン 930,000円 + 44,000円 + 0円 - 955,225円 = 18,775円

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉から、当初購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。

  • 2022年12月20日 100万口を基準価額9,500円で購入
  • 2023年11月15日 収益分配金500円の受け取り

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2022年12月20日の購入

基準価額9,500円で100万口を購入する(購入額950,000円、手数料5,225円)。個別元本は当初の基準価額と同じで9,500円となる。

〔3〕2023年11月15日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は9,300円であり従前の個別元本(9,500円)を200円下回るので、収益分配金のうち200円は特別分配金となり、300円が普通分配金となる。
普通分配金は 300円 × 100万口 = 30,000円。
特定口座(源泉徴収選択口座)で保有しているため、普通分配金の受け取りに際しては、合わせて税率20%の所得税・住民税が課される。
税引後の金額は 30,000円 - ( 30,000円 × 20% ) = 24,000円。
特別分配金は 200円 × 100万口 = 20,000円。特別分配金は非課税である。
個別元本は、特別分配金として受け取った200円の分だけ減少し、9,500円 - 200円 = 9,300円となる。

〔4〕トータルリターン

2023年11月15日を基準日として、トータルリターンの算出に必要な金額を求める。
評価金額は 9,300円 × 100万口 = 930,000円 …(1)
収益分配金のうち普通分配金については、税引後の金額を用いる(設問より)。累計受取分配金額は 24,000円 + 20,000円 = 44,000円 …(2)
売却はしていないため、累計売付金額は 0円 …(3)
累計買付金額は 950,000円 + 5,225円 = 955,225円 …(4)

設問で与えられた算式にあてはめてトータルリターンを計算する。トータルリターンは (1) + (2) + (3) - (4) = 18,775円

正解 2

最終編集: 2025-06-17