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過去問演習

CFP®資格審査試験 2024年度第2回
金融資産運用設計
問題26

〈典型問題〉株式投資信託の解約と譲渡所得

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取りを経て解約した場合の、譲渡所得を計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2023年
2月10日
購入
100万口
購入額 10,000円 × 100万口 = 1,000,000
手数料 10,000円 × 3.3% × 100万口 = 33,000
100万口 10,000円
2023年
10月20日
受取り
600円
普通分配金 500円 × 100万口 = 50,000円
特別分配金 100円 × 100万口 = 10,000
100万口 9,900
2024年
3月19日
解約
100万口
売却額 12,000円 × 100万口 = 1,200,000
信託財産留保額 12,000円 × 0.5% × 100万口 = 6,000
0 -

取得費 1,000,000円 + 33,000円 - 10,000円 = 1,023,000円
解約金額 1,200,000円 - 6,000円 = 1,194,000円
譲渡所得 1,194,000円 - 1,023,000円 = 171,000円

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉〈表3〉から、当初購入・収益分配金の受け取り・解約(売却)を、起こった順に整理する。

  • 2023年2月10日 100万口を基準価額10,000円で購入
  • 2023年10月20日 収益分配金600円の受け取り
  • 2024年3月19日 100万口を基準価額12,000円で売却

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2023年2月10日の購入

基準価額10,000円で100万口を購入する(購入額1,000,000円、手数料33,000円)。個別元本は当初の基準価額と同じで10,000円となる。

〔3〕2023年10月20日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は9,900円であり従前の個別元本(10,000円)を100円下回るので、収益分配金のうち100円は特別分配金となり、500円が普通分配金となる。
普通分配金は 500円 × 100万口 = 50,000円。
特別分配金は 100円 × 100万口 = 10,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った100円の分だけ減少し、10,000円 - 100円 = 9,900円となる。

〔4〕2024年3月19日の解約

基準価額12,000円で100万口を解約する。
売却額は 12,000円 × 100万口 = 1,200,000円 …(1)
信託財産留保額は 12,000円 × 0.5% × 100万口 = 6,000円 …(2)
解約金額は (1) - (2) = 1,194,000円 …(3)

購入時の取得費から、保有期間中に受け取った特別分配金の額を差し引いて、取得費を計算する。
購入時の取得費は 1,000,000円 + 33,000円 = 1,033,000円 …(4)
保有期間中の特別分配金は 10,000円 …(5)
取得費は (4) - (5) = 1,023,000円 …(6)

〔6〕譲渡所得

解約金額から取得費を差し引いて、譲渡所得を計算する。
譲渡所得は (3) - (6) = 171,000円

正解 3