CFP®資格審査試験 2025年度第1回
金融資産運用設計
問題26

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉〈表3〉から、当初購入・収益分配金の受け取り・解約（売却）を、起こった順に整理する。

• 2023年8月10日 100万口を基準価額10,000円で購入
• 2023年11月20日 収益分配金400円の受け取り
• 2024年11月20日 収益分配金500円の受け取り
• 2025年1月20日 100万口を基準価額11,000円で売却

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2023年8月10日の購入

基準価額10,000円で100万口を購入する（購入額1,000,000円、手数料22,000円）。個別元本は当初の基準価額と同じで10,000円となる。

〔3〕2023年11月20日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は10,100円であり従前の個別元本（10,000円）を下回らないので、400円の収益分配金はすべて普通分配金となる。
普通分配金は 400円 × 100万口 = 40,000円。
特別分配金は 0円。
特別分配金を受け取っていないので、個別元本は変わらず 10,000円 である。

〔4〕2024年11月20日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は9,900円であり従前の個別元本（10,000円）を100円下回るので、収益分配金のうち100円は特別分配金となり、400円が普通分配金となる。
普通分配金は 400円 × 100万口 = 40,000円。
特別分配金は 100円 × 100万口 = 10,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った100円の分だけ減少し、10,000円 - 100円 = 9,900円となる。

〔5〕2025年1月20日の解約

基準価額11,000円で100万口を解約する。
売却額は 11,000円 × 100万口 = 1,100,000円 …(1)。
信託財産留保額は 11,000円 × 0.30% × 100万口 = 3,300円 …(2)。
解約金額は (1) - (2) = 1,096,700円 …(3)。

購入時の取得費から、保有期間中に受け取った特別分配金の額を差し引いて、取得費を計算する。
購入時の取得費は 1,000,000円 + 22,000円 = 1,022,000円 …(4)。
保有期間中の特別分配金は 10,000円 …(5)。
取得費は (4) - (5) = 1,012,000円 …(6)。

〔6〕譲渡所得

解約金額から取得費を差し引いて、譲渡所得を計算する。
譲渡所得は (3) - (6) = 84,700円。

正解　2