〈典型問題〉トータルリターン
トータルリターン
〈典型問題〉トータルリターン
本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取りを経た場合の、トータルリターンを計算する問題である。
日付 | 取引 | 計算 | 保有口数 | 個別元本 |
---|---|---|---|---|
2022年 6月15日 |
購入 1,000万口 |
購入額 9,800円 × 1,000万口 = 9,800,000円 手数料 9,800円 × 1.10% × 1,000万口 = 107,800円 |
1,000万口 | 9,800円 |
2023年 3月31日 |
受取り 600円 |
普通分配金 600円 × 1,000万口 = 600,000円 …税引後 480,000円 特別分配金 0円 |
1,000万口 | 9,800円 |
評価金額 10,200円 × 1,000万口 = 10,200,000円
累計受取分配金額 480,000円
累計売付金額 0円
累計買付金額 9,800,000円 + 107,800円 = 9,907,800円
トータルリターン 10,200,000円 + 480,000円 + 0円 - 9,907,800円 = 772,200円
設問の〈表1〉〈表2〉から、当初購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。
この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。
基準価額9,800円で1,000万口を購入する(購入額9,800,000円、手数料率は1.10%となり手数料107,800円)。個別元本は当初の基準価額と同じで9,800円となる。
分配金落ち後の基準価額は10,200円であり従前の個別元本(9,800円)を下回らないので、600円の収益分配金はすべて普通分配金となる。
普通分配金は 600円 × 1,000万口 = 600,000円。
特定口座(源泉徴収選択口座)で保有しているため、普通分配金の受け取りに際しては、合わせて税率20%の所得税・住民税が課される。
税引後の金額は 600,000円 - ( 600,000円 × 20% ) = 480,000円。
特別分配金は 0円。
特別分配金を受け取っていないので、個別元本は9,800円のままである。
2023年3月31日を基準日として、トータルリターンの算出に必要な金額を求める。
評価金額は 10,200円 × 1,000万口 = 10,200,000円 …(1)。
収益分配金のうち普通分配金については、税引後の金額を用いる(設問より)。累計受取分配金額は 480,000円 …(2)。
売却はしていないため、累計売付金額は 0円 …(3)。
累計買付金額は 9,800,000円 + 107,800円 = 9,907,800円 …(4)。
設問で与えられた算式にあてはめてトータルリターンを計算する。トータルリターンは (1) + (2) + (3) - (4) = 772,200円。
最終編集: 2025-06-17