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過去問演習

CFP®資格審査試験 2023年度第1回
金融資産運用設計
問題27

トータルリターン

〈典型問題〉トータルリターン

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取りを経た場合の、トータルリターンを計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2022年
6月15日
購入
1,000万口
購入額 9,800円 × 1,000万口 = 9,800,000
手数料 9,800円 × 1.10% × 1,000万口 = 107,800
1,000万口 9,800円
2023年
3月31日
受取り
600円
普通分配金 600円 × 1,000万口 = 600,000円 …税引後 480,000
特別分配金 0円
1,000万口 9,800円

評価金額 10,200円 × 1,000万口 = 10,200,000円
累計受取分配金額 480,000円
累計売付金額 0円
累計買付金額 9,800,000円 + 107,800円 = 9,907,800円
トータルリターン 10,200,000円 + 480,000円 + 0円 - 9,907,800円 = 772,200円

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉から、当初購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。

  • 2022年6月15日 1,000万口を基準価額9,800円で購入
  • 2023年3月31日 収益分配金600円の受け取り

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2022年6月15日の購入

基準価額9,800円で1,000万口を購入する(購入額9,800,000円、手数料率は1.10%となり手数料107,800円)。個別元本は当初の基準価額と同じで9,800円となる。

〔3〕2023年3月31日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は10,200円であり従前の個別元本(9,800円)を下回らないので、600円の収益分配金はすべて普通分配金となる。
普通分配金は 600円 × 1,000万口 = 600,000円。
特定口座(源泉徴収選択口座)で保有しているため、普通分配金の受け取りに際しては、合わせて税率20%の所得税・住民税が課される。
税引後の金額は 600,000円 - ( 600,000円 × 20% ) = 480,000円。
特別分配金は 0円。
特別分配金を受け取っていないので、個別元本は9,800円のままである。

〔4〕トータルリターン

2023年3月31日を基準日として、トータルリターンの算出に必要な金額を求める。
評価金額は 10,200円 × 1,000万口 = 10,200,000円 …(1)
収益分配金のうち普通分配金については、税引後の金額を用いる(設問より)。累計受取分配金額は 480,000円 …(2)
売却はしていないため、累計売付金額は 0円 …(3)
累計買付金額は 9,800,000円 + 107,800円 = 9,907,800円 …(4)

設問で与えられた算式にあてはめてトータルリターンを計算する。トータルリターンは (1) + (2) + (3) - (4) = 772,200円

正解 2

最終編集: 2025-06-17