〈典型問題〉株式投資信託の収益分配金と個別元本
NISA口座から特定口座への移管
〈典型問題〉株式投資信託の収益分配金と個別元本
本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取り、課税口座への移管を経た場合の、取得費と個別元本を計算する問題である。
日付 | 取引 | 計算 | 保有口数 | 個別元本 |
---|---|---|---|---|
2019年 11月15日 |
購入 100万口 |
購入額 10,000円 × 100万口 = 1,000,000円 手数料 10,000円 × 2.2% × 100万口 = 22,000円 |
100万口 | 10,000円 |
~ | 累計受取り 2,000円 |
普通分配金 1,000円 × 100万口 = 100,000円 特別分配金 1,000円 × 100万口 = 100,000円 |
100万口 | 9,000円 |
2023年 12月末日 |
移管 100万口 |
売却・再取得のみなし額 12,000円 × 100万口 = 1,200,000円 | 100万口 | 9,000円 |
設問の〈表1〉〈表2〉〈表3〉から、当初購入・収益分配金の受け取り・課税口座への移管を、起こった順に整理する。
この順に従って、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。
基準価額10,000円で100万口を購入する(購入額1,000,000円、手数料22,000円)。個別元本は当初の基準価額と同じで10,000円となる。
累計の普通分配金は 1,000円 × 100万口 = 100,000円。
累計の特別分配金は 1,000円 × 100万口 = 100,000円。
個別元本は、特別分配金として受け取った1,000円の分だけ減少し、10,000円 - 1,000円 = 9,000円となる。
NISA口座から課税口座に移管したときは、移管時の金額で売却・再取得したとみなされる。取得費は移管時の基準価額であり、個別元本は移管時の時価である。
取得費は 12,000円 × 100万口 = 1,200,000円(1万口あたり 12,000円)である。
個別元本は 9,000円 である。