〈典型問題〉トータルリターン
トータルリターン
〈典型問題〉トータルリターン
本問は、国内公募追加型株式投資信託について、一部解約、収益分配金の受け取りを経た場合の、トータルリターンを計算する問題である。
日付 | 取引 | 計算 | 保有口数 | 個別元本 |
---|---|---|---|---|
2023年 5月10日 |
購入 100万口 |
購入額 8,000円 × 100万口 = 800,000円 手数料 8,000円 × 2.2% × 100万口 = 17,600円 |
100万口 | 8,000円 |
2024年 1月15日 |
売却 700円 |
売却額 9,000円 × 50万口 = 450,000円 手数料・信託財産留保額 0円 |
50万口 | 8,000円 |
2024年 4月15日 |
受取り 400円 |
普通分配金 100円 × 50万口 = 5,000円 …税引後 4,000円 特別分配金 300円 × 50万口 = 15,000円 |
50万口 | 7,700円 |
評価金額 7,700円 × 50万口 = 385,000円
累計受取分配金額 4,000円 + 15,000円 = 19,000円
累計売付金額 9,000円 × 50万口 = 450,000円
累計買付金額 800,000円 + 17,600円 = 817,600円
トータルリターン 385,000円 + 19,000円 + 450,000円 - 817,600円 = 36,400円
設問の〈表1〉〈表2〉から、当初購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。
この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。
基準価額8,000円で100万口を購入する(購入額800,000円、手数料17,600円)。個別元本は当初の基準価額と同じで8,000円となる。
基準価額9,000円で50万口を解約する(売却額450,000円、手数料0円)。残りの保有口数は50万口となる。
分配金落ち後の基準価額は7,700円であり従前の個別元本(8,000円)を300円下回るので、収益分配金のうち300円は特別分配金となり、100円が普通分配金となる。
普通分配金は 100円 × 50万口 = 5,000円。
特定口座(源泉徴収選択口座)で保有しているため、普通分配金の受け取りに際しては、合わせて税率20%の所得税・住民税が課される。
税引後の金額は 5,000円 - ( 5,000円 × 20% ) = 4,000円。
特別分配金は 300円 × 50万口 = 15,000円。特別分配金は非課税である。
個別元本は、特別分配金として受け取った300円の分だけ減少し、8,000円 - 300円 = 7,700円となる。
2024年4月15日を基準日として、トータルリターンの算出に必要な金額を求める。
評価金額は 7,700円 × 50万口 = 385,000円 …(1)。
収益分配金のうち普通分配金については、税引後の金額を用いる(設問より)。累計受取分配金額は 4,000円 + 15,000円 = 19,000円 …(2)。
累計売付金額は 450,000円 …(3)。
累計買付金額は 800,000円 + 17,600円 = 817,600円 …(4)。
設問で与えられた算式にあてはめてトータルリターンを計算する。トータルリターンは (1) + (2) + (3) - (4) = 36,400円。
最終編集: 2025-06-16