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過去問演習

CFP®資格審査試験 2024年度第2回
金融資産運用設計
問題27

トータルリターン

〈典型問題〉トータルリターン

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、一部解約、収益分配金の受け取りを経た場合の、トータルリターンを計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2023年
5月10日
購入
100万口
購入額 8,000円 × 100万口 = 800,000
手数料 8,000円 × 2.2% × 100万口 = 17,600
100万口 8,000円
2024年
1月15日
売却
700円
売却額 9,000円 × 50万口 = 450,000
手数料・信託財産留保額 0円
50万口 8,000円
2024年
4月15日
受取り
400円
普通分配金 100円 × 50万口 = 5,000円 …税引後 4,000
特別分配金 300円 × 50万口 = 15,000
50万口 7,700円

評価金額 7,700円 × 50万口 = 385,000円
累計受取分配金額 4,000円 + 15,000円 = 19,000円
累計売付金額 9,000円 × 50万口 = 450,000円
累計買付金額 800,000円 + 17,600円 = 817,600円
トータルリターン 385,000円 + 19,000円 + 450,000円 - 817,600円 = 36,400円

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉から、当初購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。

  • 2023年5月10日 100万口を基準価額8,000円で購入
  • 2024年1月15日 50万口を基準価額9,000円で一部売却
  • 2024年4月15日 収益分配金400円の受け取り

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2023年5月10日の購入

基準価額8,000円で100万口を購入する(購入額800,000円、手数料17,600円)。個別元本は当初の基準価額と同じで8,000円となる。

〔3〕2024年1月15日の一部解約

基準価額9,000円で50万口を解約する(売却額450,000円、手数料0円)。残りの保有口数は50万口となる。

〔4〕2024年4月15日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は7,700円であり従前の個別元本(8,000円)を300円下回るので、収益分配金のうち300円は特別分配金となり、100円が普通分配金となる。
普通分配金は 100円 × 50万口 = 5,000円。
特定口座(源泉徴収選択口座)で保有しているため、普通分配金の受け取りに際しては、合わせて税率20%の所得税・住民税が課される。
税引後の金額は 5,000円 - ( 5,000円 × 20% ) = 4,000円。
特別分配金は 300円 × 50万口 = 15,000円。特別分配金は非課税である。
個別元本は、特別分配金として受け取った300円の分だけ減少し、8,000円 - 300円 = 7,700円となる。

〔5〕トータルリターン

2024年4月15日を基準日として、トータルリターンの算出に必要な金額を求める。
評価金額は 7,700円 × 50万口 = 385,000円 …(1)
収益分配金のうち普通分配金については、税引後の金額を用いる(設問より)。累計受取分配金額は 4,000円 + 15,000円 = 19,000円 …(2)
累計売付金額は 450,000円 …(3)
累計買付金額は 800,000円 + 17,600円 = 817,600円 …(4)

設問で与えられた算式にあてはめてトータルリターンを計算する。トータルリターンは (1) + (2) + (3) - (4) = 36,400円

正解 2

最終編集: 2025-06-16