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過去問演習

CFP®資格審査試験 2025年度第1回
金融資産運用設計
問題27

〈典型問題〉トータルリターン

本問は、国内公募追加型株式投資信託について、収益分配金の受け取りを経た場合の、トータルリターンを計算する問題である。

算出手順表

日付 取引 計算 保有口数 個別元本
2023年
10月10日
購入
100万口
購入額 11,500円 × 100万口 = 1,150,000
手数料 11,500円 × 1.10% × 100万口 = 12,650
100万口 11,500円
2024年
9月30日
受取り
700円
普通分配金 400円 × 100万口 = 40,000円 …税引後 32,000
特別分配金 300円 × 100万口 = 30,000
100万口 11,200円

評価金額 11,200円 × 100万口 = 1,120,000円
累計受取分配金額 32,000円 + 30,000円 = 62,000円
累計売付金額 0円
累計買付金額 1,150,000円 + 12,650円 = 1,162,650円
トータルリターン 1,120,000円 + 62,000円 + 0円 - 1,162,650円 = 19,350円

解説

〔1〕時系列の確認

設問の〈表1〉〈表2〉から、当初購入・収益分配金の受け取りを、起こった順に整理する。

  • 2023年10月10日 100万口を基準価額11,500円で購入
  • 2024年9月30日 収益分配金700円の受け取り

この順に従って、保有口数、受け取った分配金、個別元本の変遷をたどっていく。

〔2〕2023年10月10日の購入

基準価額11,500円で100万口を購入する(購入額1,150,000円、手数料12,650円)。個別元本は当初の基準価額と同じで11,500円となる。

〔3〕2024年9月30日の収益分配金の受け取り

分配金落ち後の基準価額は11,200円であり従前の個別元本(11,500円)を300円下回るので、収益分配金のうち300円は特別分配金となり、400円が普通分配金となる。
普通分配金は 400円 × 100万口 = 40,000円。
特定口座(源泉徴収選択口座)で保有しているため、普通分配金の受け取りに際しては、合わせて税率20%の所得税・住民税が課される。
税引後の金額は 40,000円 - ( 40,000円 × 20% ) = 32,000円。
特別分配金は 300円 × 100万口 = 30,000円。特別分配金は非課税である。
個別元本は、特別分配金として受け取った300円の分だけ減少し、11,500円 - 300円 = 11,200円となる。

〔4〕トータルリターン

2024年9月30日を基準日として、トータルリターンの算出に必要な金額を求める。
評価金額は 11,200円 × 100万口 = 1,120,000円 …(1)
収益分配金のうち普通分配金については、税引後の金額を用いる(設問より)。累計受取分配金額は 32,000円 + 30,000円 = 62,000円 …(2)
売却はしていないため、累計売付金額は 0円 …(3)
累計買付金額は 1,150,000円 + 12,650円 = 1,162,650円 …(4)

設問で与えられた算式にあてはめてトータルリターンを計算する。トータルリターンは (1) + (2) + (3) - (4) = 19,350円

正解 2

最終編集: 2025-06-15